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はあぁるばる来たぜ、パァタゴニア〜[パタゴニア]


10/25|44日目
ひとり旅で行く 52日間ぶらり南米旅行記

10/25|44日目

5時半に起きてチェックアウト。ロビーにある本棚に読み終わった開高健の文庫を残し、代わりに別の文庫を拝借。まだまだ真っ暗な町中をバス停まで歩く。ホットコーヒーを片手に寒さに震えながらバスを待つ。アルトゥロ・メリノ・ベニテス国際空港 Aeropuerto Inteanacional Arturo Merino Benítez まではバスで40分ほど。今日はサンティアゴからチリの南端プンタ・アレーナス Punta Arenas までのフライト。発券手続きを済ますと空港の外でタバコを一本。視界の先には淡く厳かに連なる山脈が朝靄の中に浮かび上がっている。息をのむ美しさ。

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photo by © HOSOI Toshiya

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photo by © HOSOI Toshiya

プエルト・モン Puerto Montt 経由のこの飛行機は途中で乗客がごっそり入れ替わる。プンタ・アレーナスまで行く乗客は乗り継ぎの間、機内でのんびりと待つ。今日はなんだかおならがたくさん出るなぁ。機内でおならをブーブーする。
プンタ・アレーナス到着時、飛行機は空港を飛び越えて急旋回。セスナ機に乗っているように気持ち悪くなる。自分は言葉がわからないので心配しないのですが、流れるアナウンスを聞いた乗客の表情は一様に固い。無事着陸すると機内は拍手で満ちる。

明らかに定員オーバーなミニバスに辛うじて乗り込み、町へ向かう。車窓からの風景を見て、みるみるテンションがあがってくる。「来たなー、パタゴニア」車窓から雄大な自然を眺めているとアマゾン、パンタナールで感じたような感慨がふつふつと湧き起こってくる。大自然の中で申し訳程度に人間が暮らしているような、そういった望ましいバランスがそこここに垣間見える。
町に到着すると止むことのない強い風に背中を押される。風の強さに身を預けて歩くといったイメージ。どこまでも高い空。プンタ・アレーナスからウシュアイアへ間髪入れずに移動するつもりでアルマス広場 Plaza de Armas 周辺に散らばっている4社のバス会社を訪ねてまわるが今日はもうバスがないとのこと。朝に1便しか走っていないそうです。仕方なしにホテル探しに方針転換するが25kgのバックパックが肩に食い込んで、もうしんどい。バックパックを背負ってあっちへ行ったり、こっちへ来たりするが安い宿は見つけられず、その中でも一番安いモンテカルロ Montecarlo に宿を決める。椎名誠も泊まったそうな。

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photo by © HOSOI Toshiya

荷物を降ろし、町へ。荷物がなくなって気分も身体も軽快。冗談みたいに強い風にニヤニヤしながらバスチケットを購入したり葉書を投函したり。午後の数時間で回れるペンギンツアーに参加しようかなとツアー会社を回るがバカ高いので諦める。フラッと立ち寄ったスーパーで赤ワインにチーズ、色とりどりのハムに良い香りの焼きたてパンを衝動買い。今日の夕ご飯です。

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オシャレなネットカフェへ。こんな切り口のネットカフェ、日本にあったらはやりそうだなという感じのステキなお店なのですが、多分ここにあるからこそ良いんだと思う。寒い屋外から中に入ると丸太で組まれたポカポカとした店内に迎えられる。タバコも吸えるんだけど、そんな風には思えない清潔感。ショコラテ片手にブログを投稿

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店から海岸沿いまで歩く。アルマス広場を中心とした整然とした町並み、広い道路に広い歩道。道沿いの独特の植林。一見して積雪に強そうな木だ。北国ならではの清潔感というのか、町並みや空気感がツボに嵌る。
海から戻る道、大通りを外れて歩いていると美容院を見つける。髪を切ってもらおうと中に入ると、昔は綺麗だったに違いないおばちゃんに「坊主はやってないよ」と冷たくあしらわれる。ボリューム満点のブロンドは良く言えばドヌーブ。「向かいに行きなさいよ」店を出ると狭い道路の向かいに床屋さん。ホホホ、そりゃそうだ。

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店内に入ると良い感じにキャラの立ったじいさん2人組み。日本人とわかるとお客さんそっちのけで話しかけてくるじいさんとただの坊主頭なのに丁寧に丁寧にハサミを走らせる寡黙なじいさん。髪を切ってもらいながら、向かいの美容院のおばちゃんとじいさん2人の若かりし頃のロマンスを勝手に夢想する。
このお店でもらったレシートがあまりにも格好良くて宝物になる。

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こっちでは髪切った後にシャンプーしないのよね。帽子をかぶれないのでとっても頭寒い。しかもチクチク。店を出て町を一望できる丘を登る。展望台からクルスの丘へ。模型のように色鮮やかな町並み、その向こう側に見えるのは、かの有名なマゼラン海峡。大航海時代より栄えたこの町も中米を抜けるパナマ運河が発見されてからは静かな町となる。
スプレーで落書きされた十字架を写真に撮っていると退屈そうな女子高生ふたりが笑っている。

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photo by © HOSOI Toshiya

通り過ぎるだけのつもりがちょっとしたバスの都合で一泊することになったプンタ・アレーナス。こういった観光地としては何もない町が、意外と強い印象で記憶に残っていたりするものです。
ほんの短時間、ただ何となく町を歩き、勝手に想像力を働かせたり、解釈を加えたりしている中で、雲の切れ間から陽が照る瞬間、数ブロック先の交差点を車が走り行く情景、8時を過ぎても明るい町並みにどこか間の抜けた印象のナイトクラブの看板。こういった情景が五感と絡んで手に取るように思い起こされる。

部屋に戻り夕食にありつく。チリのテレビ番組を眺めながら、ハムやチーズを平らげて、赤ワインでだいぶ酔っ払う。月夜なのか外はまだうっすらと明るい。乾燥した空気と固いパンで口の中がヒリヒリと痛む。

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posted by: トシ★細井

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