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リオデジャネイロでNo.2 [ブラジル]


10/8|27日目
ひとり旅で行く 52日間ぶらり南米旅行記

10/8|27日目

8時ごろに目覚めると昨日の日本人2人はもうカポエィラのイベントに出かけたようだ。シャワーを浴び、トイレに。No.2を。ブラジルではシッコをNo.1、ウンコをNo.2というそうだ。腹の調子すこぶる悪し。おばさんが用意してくれた朝食をたっぷりと取り、噂に聞きしコパカバーナ海岸 Praia do Copacabana へ。

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photo by © HOSOI Toshiya

砂浜の隅で開かれた小さな魚市場からコパカバーナ海岸を臨む

サンバカーニバルが行われる真夏が2月なので今は日本でいう4月初旬。赤道付近から降りてきたので小雨が顔を濡らすその光景は何とも寂しい限り。リオのコパカバーナとくればちっさいビキニという浮ついた妄想はみるみると萎んでゆく。

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浮ついた妄想 1

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浮ついた妄想 2

そして少しでも油断すると緩む腹の調子。海岸沿いに立つ豪奢なホテル Miramar Palace でトイレを拝借。No.2。ホテルマンはやさしい。
丘を越えてアルポアドール海岸 Praia do Arpoador に向かう途中でも教会のトイレを拝借。日曜の朝の礼拝堂では信仰に厚い人々が集まり祈りを捧げている。賛美歌を聴きながらNo.2。入り口で朝食を振舞っているが丁寧にお断りする。キリスト教ってやさしい。
流石にげっそりとする。今日は厳しい一日になりそうだ。

イパネマ海岸沿いを歩いているとコルコバードの丘行きのバスを見かけたので、オリャッと乗り込む。冷房極冷えのバス。30~40分バスに揺られるがまたキリキリと腹が痛む。終わりを意味する臨界点に限りなく近づき、「早く着いてくれ~」「さっきのバス停で降りたほうが得策だったんじゃ・・」なんちゅう言葉にならない心の叫び。ここは中央線か!コルコバードの丘 Morro do Corcovado を上る登山列車駅に着くと何はさておきトイレへ。No.2。まるで修行だ。こんなはずじゃなかった、オレのリオ。

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photo by © HOSOI Toshiya

生憎の天気なので2両連結の登山列車内には連絡員1人と自分も含めて客2組、スキスキです。いざトリムが動き出し、傾斜のキツイ山道を行く。複雑な地形をした街、リオ・デ・ジャネイロでは町の中心部から数分でこのような鬱蒼とした緑に包まれる。雨は強くなり、数10メートルごとに現れるヘンテコリンなFRP製の像が何とも物哀しい。ヌルイ造型の擬人化されたカエルや黒豹が目を楽しませるが本意ではないだろう。トリムを降りるとあまりの強い風、雨、寒さに気持ちが挫ける。セレソンユニフォームに半ズボン、No.2なオレには泣きっ面に蜂だ!泣きっ面に蜂って慣用句を初めて使うほど気持ちは萎える。
キリスト像に繋がる階段を登る前にシャッターを半分おろしたキオスクでホットカフェオレを大事に飲む。土産物屋で簡易ビニルカッパを購入。徐々に気持ちを高めてゆく。よし!土産物屋の兄ちゃんに背中を押され、コルコバードの丘山頂へ!

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photo by © HOSOI Toshiya

キリスト像。こんなに真下から見上げているのに霧で輪郭をぼんやりと薄めている。近くで見る蜃気楼のようだ。目を下界に移せば真っ白な霧。本当に何にも見えない。「乳白色」。
こうなってくるとなんだか楽しくなってくるのが人間の常。その場にいる4~5人の観光客みんなにトホホな笑いの神が降臨。キリスト像の下、三点倒立で写真に納まる者、本来なら見えるべき大パノラマを描いた看板にニヤニヤとシャッターを切る者、キリスト像の土台を風除けとしか見ていない女子。ここにいる人々はトホホな笑いの神に見守られた人々なのだ。

しょーもない土産物屋を名残惜しそうに見て周り、タバコを根元まで吸うとコルコバードの丘を後にする。オレ、またここに来れるかな?
トリム駅のトイレで念のためNo.2。もう出すものは出し切ったようだ。腹を撫で下ろしつつ油断はできないので極冷えのバスも昼食も今日はナシ。タクシーを拾いポン・ジ・アスーカへ向かう。

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photo by © HOSOI Toshiya

浮ついてセレクトしたレプリカユニフォームが目に痛い。

ポン・ジ・アスーカル Pão de Açúcar 。発音としては「ポン・ジ・アスーカ」に近いかな。シュガーパンという名を持つこの奇岩はその名のとおりパンを二つに割って並べたような形をしている。その2つの切れ端を結ぶロープウェイは映画「007/ムーンレイカー」でのロジャー・ムーアと鋼鉄の歯を持つ大男リチャード・キールの対決でご存知の方も多いと思う。雨も峠を越え、柔らかく降っては止んだりしている。霧は相変わらず世界を包み込み、ひとつ目の丘でもふたつ目の丘でもやっぱり真っ白。長野かどこかの高原に来ているみたいだなぁ。まぁいいさ、もうどうでも。年寄りのヨーロピアンばかりだし。腹の調子が持ち直してきたのが救い。
ロープウェイを2本乗り継ぎ、丘を下りる。霧に包まれながらもうっすらと夕暮れを予感させる。ボダフォゴの地下鉄駅まで数キロを歩く。港湾地区は徐々に夜気を深め、人影の少ない広い道ですれ違うおっさんはなんだかおっかない。ボダフォゴ駅から終着駅まで乗り、そこからまた2キロほど歩く。新聞紙を傘代わりに。

ホステルへ着くとテレビ室でサッカーの試合を見て寛いでいた松尾さんと少し話す。松尾さんはカポエィラの道場に通いつつリオに2ヶ月、明日からサンパウロの道場で2ヶ月過ごすという。フリーのプログラマという似通った職業と、日本から互いに開高健の文庫本を1冊だけ持ってきていたこともあり、それなりに打ち解ける。
ドレスアップした宿のおばさんがホームパーティーの準備をしており、そわそわそわそわしていたのでサッカーの試合終了を待たずに松尾さんともうひとりの女の子と食事に出かける。

明日から女の子はブラジリアの道場へ、松尾さんはサンパウロの道場へということで最後の夜を豪快な肉料理で楽しむ。自分も久しぶりの日本語の会話がうれしい。酒を飲み肉を喰らい、店を出たのは11時過ぎか。
リオの夜は外出するなと数人のバックパッカーに口をすっぱくして言われてきたがこの2人のカポエィラ使いのおかげもあってか、リオの町を普通に歩く。というかこの辺は全然大丈夫だろう。一晩一緒にお酒を飲み、明日には3人バラバラに宿を立つ予定。日記をつけて寝る。

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posted by: トシ★細井

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