高級住宅街のバックパッカー [アルゼンチン]
ひとり旅で行く 52日間ぶらり南米旅行記
9/18|7日目
8時起床。この宿最後の朝食を取りチェックアウトする。この宿の人々には馴染めませんでしたが唯一初日に話しをし、その後も顔を会わせるたびにこぼれんばかりの笑顔で声をかけてくれたコロンビアの女の子に別れの挨拶をする。バスの時間まで荷物を預かってもらい、ブエノスアイレスの最高級住宅地レコレータ地区 Barrio Recoleta の墓地へ。
photo by © HOSOI Toshiya
海外の高級住宅街を歩くと何ともいえない居心地の悪さを感じる。このレコレータ地区でも同じ気分だ。観光をするということは自国での趣味嗜好はひとまず置いておいて観光名所的なところを周ることがある。ちょっと時間があるので、といった軽いノリで行ってはみるのだが吉祥寺や下北沢好きな人間がブエノスアイレスの田園調布や白金に行っても何にも楽しくない。
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そんな高級住宅街の中心を占める墓地、レコレータ墓地 Cementerios Recoleta 。6400もの納骨堂が集まったその区画にはアルゼンチンの歴代大統領やサン・マルティン将軍、ペロン元大統領の妻エビータの墓などがある。ひとつの納骨堂の平均的なサイズは日本の交番ぐらいの敷地面積があり、その納骨堂には豪奢かつ繊細な彫刻が施され、カラッとした強い日差しが美しい石彫に濃い影を落としている。
photo by © HOSOI Toshiya
納骨堂の中にはこの一角に墓を持てるだけで十分という感じに慎ましやかであったり、管理するものがいなくなり荒れ放題に風化した納骨堂もあるのだが、大半は地下室や2階があるもの、中には5/3サイズの人体彫刻が4体も彫られているものもある。こういったものを建てる財力、死者の(生者の)自己顕示欲に舌を巻く。入り口で著名人のお墓を示したマップをもらえるんですが知っている人は前述のサン・マルティン将軍、エビータの2人だけ。どれどれと探してみると比較的素朴な納骨堂で何だか救われた気分になる。
このエリアには絢爛豪華でグロテスクなキリスト教会、70もの高級家具専門店が集まったショッピングモールなどがあり、そこここを行く犬までもが品の良さを醸し出している。そんなわけで人の出入りのあるところには募金活動の学生達が立っているんですが、オレに募金を呼びかけるその目には自信のなさを漂わせている。その通り!オレはニセモノだ。しかも街頭募金には協力しない主義だ。日本でもね。
photo by © HOSOI Toshiya
荷物をピックアップし長距離バスターミナルに向かう。イグアスの滝があるプエルト・イグアスへ17時間かけて向かう。南米では長距離列車よりも長距離バスが主流となり、南米の各都市を結ぶ舗装路を平均時速100kmで走る。去年旅をしたペルーではアンデスの視界に入りきらない景観の中、未舗装路、ノーガードレールに荒い運転で金玉の縮み上がる思いをしましたがペルー、ボリビア以外はとても快適な道程とのこと。
バスに乗り込む時、東洋人の若者に出会う。背丈は同じぐらいなのに明らかに顔が小さい、しかも男前。この時は話しをしなかったがその後のトイレ休憩で少しずつ話をするようになる。ケン、大学4年生、スペイン語学科。このあとプエルト・イグアスで一緒に行動するんですが彼のスペイン語にはとても助けられる。
photo by © HOSOI Toshiya
バスの中は冷房が効き過ぎ、放送される映画の音がうるさ過ぎ、食事は素朴過ぎのスリースギ。しょーもない映画やシェキーラ?のライブビデオを見せられるのですが、やることがないので字幕を見ながらスペイン語の勉強を進める。「ペロー」を覚える。
3本目に見た映画は言葉の壁を超えたお下品映画でとても面白かった。出発前、憂いを含んだ眼差しを持つ美しいインディオの女性がいて目を引いたのですが、その女性が下ネタのギャグにゲラゲラ大声で笑っているのでズッコケタ。あとで聞いたらケンもその子の笑い声にズッコケタそうです。
11時ごろには眠りに就くがあまりの寒さに朝まで熟睡することは出来ない。
posted by: トシ★細井
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