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別れて出会って別れる [ブラジル]


9/25|14日目
ひとり旅で行く 52日間ぶらり南米旅行記

9/25|14日目

早朝5時過ぎ、まだ薄暗い中をボートで漕ぎ出す。このツアーで一人旅は自分だけなので、ボートの一番前が指定席となっている。

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photo by © HOSOI Toshiya

川幅は両岸が視界に収まる状態から湖面に浮かぶ浮島といった状態へと広がってゆく。ボートの舳先から向こうの世界はゆっくりと確実に夜が明けてゆく。特等席から見える島は白い川面に反射し、美しい線対称を描く。この線対称を朝の空気と一緒に脳みそに焼き付けて日本に持ち帰りたい。

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photo by © HOSOI Toshiya

ボートが数隻と、木陰に木造のホテルが見えるビーチへ。砂浜に降り立つとシッポを振り振り、犬が現れる。「構ってくれよ」と辺りを駆け回っては突如50メートル近く直線ダッシュ。犬はかわいいね。それに刺激されたのかマイキーは助走をしたかと思ったらバック転をしてみせる。空中の状態を写真に撮ってくれとのこと。朝日は雲間から顔を出し、こちらは楽に撮影できた。
砂浜に落ちている何某かの種子をポケットに忍ばせてロッジへと戻る。帰り途は数隻のボートや小船と行き交い挨拶を交わす。
マイキーはボートを停めて口笛を吹き、川面をバシャバシャと叩く。すると河イルカが数匹顔を出したり、水上に飛び上がってみせる。ん~~素晴らしいネ。

宿に戻ってパンとフルーツに甘いコーヒーの朝食を取る。少しノンビリしたあと再びボートへ。浸水林が茂った細い航路をぐんぐんと進み、今日はロッジから少し離れたアマゾンの小村をトレッキング。

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photo by © HOSOI Toshiya

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photo by © HOSOI Toshiya

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photo by © HOSOI Toshiya

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photo by © HOSOI Toshiya

小さな河口にボートを停めて、村の入り口を通り過ぎると5つ6つとカラフルなペンキで彩られた建物が並ぶ。その中には教室がひとつしかない学校があり中を覗くと小学校低学年といった感じの子ども達が授業を受けている。
河口から150メートルほど続くなだらかな斜面に立ち並ぶ建物は全て1メートルから2メートルほどの高床式となっており、雨季にはその水位まで水嵩が上がるとのこと。見れば立派な根を張った大樹も自分の目の高さを境に色が変色している。

村の養鶏場、養豚場などを通り過ぎながら、物珍しい植物や動物が目に止まるとマイキーの説明が入るのですが英語が良くわからないので適当に頷いておく。例えば面と向かって会話をしたり、最終的な目的があって会話をする分には聞き取れたり喋れたりするんですが、歩いたり、写真を撮ったり、植物を眺めたりする中でヒアリングをするともうさっぱりわかりません。へへ。
でも真剣な顔付きで聞き取ろうとしているのでマイキーも気にかけてくれるのですが、途中から「コイツ全然わかってないな」と悟られるとドンドン話を進めていってしまう。ま、しょうがないやね。
片道40分ほど進むとマイキーの知り合いの家があり、そこを折り返し地点として再び河口へ戻る。

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photo by © HOSOI Toshiya

河口に面した商店でビールをオーダーしてひと休み。アルコールも手伝って堪らずアマゾン河に飛び込む。河に飛び込むと、気持ち良さと妙な達成感でハイテンションになる。その心は!
「オカン!オラ、ガンジス川に続き、アマゾン川にも入ったよ~!」
暑い日差しとトレッキングで温まった体をヒンヤリと冷やしてくれる水流。足は届かないのでビールの飲みすぎには注意だね。
ふと左手に目をやるとそこから数メートル向こうに先ほど自分が用を足したトイレが見える。便器の下部が覗いていて直接河に注ぎ込んでいるのが少し気になるけど、ガンジス川に比べれば百倍きれいなものです。

昔は悪かったという感じのマイキーの友達とドミノゲームをしたり、サッカーをする子どもをからかったりしてのんびり過ごす。英語があまり出来ない分、こういった言葉を必要としないゲームや遊びで針を振り切ろうという感覚が自分の中にある。昼いっぱいまで遊び、その後ロッジへ。

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photo by © HOSOI Toshiya

昼食は昨日リーさんが釣った魚達。ピーコックバスやピラニアの焼き魚をたっぷり食べていると、新しいツアー客を乗せてジョルジのフェリーボートがやってくる。15人近く一気にやってきて賑やかな雰囲気になるのですがこの人たちは全員日帰りツアー客。小一時間の滞在で同じフェリーボートでマナウスに戻るのでした。
いよいよ帰路へ。Mattijsやリーさんと別れを惜しみ、イスラエル人の二人とヒロミさんご夫婦とフェリーボートに乗り込む。たった一泊だったのになんだかジーンと来るものがある。Mattijsは遠く小さくなるまで手を振っていた。

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photo by © HOSOI Toshiya

マナウスへの帰路。時間はたっぷりあったのでイスラエルの2人とこれからの旅の日程を話したり、ヒロミさんと日系人社会について話し込んだり、インド系イギリス人のおじいさん兄弟からイギリスの福祉が如何に優れているかを教わったり、ジョルジと単語の復習をしたり。
途中浜辺に寄り道したのでマナウスに到着したのは完全に日が暮れた夜の8時。

行きと同じようにピックアップが来るはずなのですがそこにはくたびれた乗用車が一台だけ。で、その乗用車の持ち主がお金を要求してくる始末。日帰りツアー客の一人、醜く太った白人のオヤジがすぐさま札を数枚握らせ、見事なまでにぶくぶくに太ったその家族達を乗用車に乗せてしまう。
不安そうな面持ちのツアー客が色めき立つのですがその時の醜く太った白人のオヤジの表情が何とも印象に残った。ジョルジは諦観の滲んだ視線を泳がせ困った表情をしている。
まぁ適当に歩いて帰ればいいだろうぐらいに思っていたのですが言葉のわかる皆が何でそんなに萎縮しているのかが何とも解せない。
結局ジョルジがイスラエル人の2人とオレを呼び、歩いてホテルまで送ってくれることになった。未だ心配そうなヒロミさんに別れを告げてジョルジのあとを付いて行く。ジョルジはこの状況に心底凹んでいる様子で目に見えて元気がない。ただそんな状況でも出来る限りのことをしようとがんばってくれているのがとても嬉しかった。
イスラエルの兄ちゃんは夜道を歩くのが怖いといった雰囲気で表情が固く、あっけらかんとしたイスラエル姉ちゃんとの対比が面白い。
2人を宿に送り届けてHOTEL KYOTOへ。途中道に迷い、商店に道を尋ねるジョルジの真剣な表情とこめかみに流れる汗に有り難味と友情を感じて、教わったポルトガル語を組み合わせて御礼の言葉を伝えようと口中で復唱を始める。
だけれどもだけれども。見覚えのある交差点でジョルジに声をかけて、いざ御礼を言おうとしたのですがポーンと言葉が飛んでしまう。俺のアホ!3フレーズぐらい伝えようと思っていたのに出て来た言葉は「ムイント オブリガード」だけ。
ありがとうジョルジ!
握手する右手に力を加え「ムイント オブリガード!!」を続けて3回言う。

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posted by: トシ★細井

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